ウィルチェアーラグビーが“熱い”!①

2017年10月10日

日本代表選手 池崎大輔選手に突撃取材!

ウィルチェアーラグビー日本代表 

池崎 大輔選手 プロフィール

池崎 大輔Daisuke Ikezaki

背番号7 / Class3.0

所属:北海道 Big Dippers/三菱商事株式会社

成績:

・2010年 世界選手権 (カナダ) 3位

・2012年 ロンドン2012パラリンピック競技大会 4位

・2014年 世界選手権 (デンマーク) 4位

・2015年 ジャパンパラウィルチェアーラグビー競技大会金メダル

・2015年 三菱商事2015アジア・オセアニアチャンピオンシップ 金メダル ※MVP受賞

・2016年 リオ2016パラリンピック競技大会 銅メダル

人に訴えるスポーツ、ウィルチェアーラグビー

 ウィルチェアーラグビーの魅力として挙げられるのは、選手同士がタックルし、ぶつかり合う激しさである。そして四肢障がいを持つ選手で構成されていて、障がいが重い人でも軽い人でもそれぞれの役割があり、お互いに協力しあってこそ、勝利が生まれるスポーツであることもあげられる。

 しかし選手の立場から見ると、それ以上にウィルチェアーラグビーは魅力が詰まった競技であることを教えてくれた。それは向かってきたものから逃げないで戦う姿勢を観客に訴えることができるスポーツであるということだった。昔は車いすに乗っているだけで、弱者であるとレッテルを貼られる時代もあったという。しかし、激しくタックルしたり、コートを自由に駆け回ることができる姿を見せることで、誤解をなくし、我々は強いのであると、自分たちの生き方を観客に見せつけられるスポーツでもあると池崎選手は述べた。

パラスポーツとの出会い、そしてウィルチェアーラグビーとの出会い

 高校二年生の時に初めてパラスポーツという存在を知ったという池崎選手。その時に見た車いすバスケットボールのかっこよさに惹かれ、始めたという。しかし、車いすバスケットボールをプレーする選手の障がいの種類は幅広く、続けていくうちに、自分の実力がうまく発揮できていないことを感じた。

 そしてそんな時にウィルチェアーラグビーに出会った。始めは、 「なんでこんなに車いすがゴツゴツしているの?」、「なんで選手は手袋をはめているの?」、「タイヤがベタベタしているのはなんで?」のような疑問がたくさんあった不思議ばかりのスポーツだった。しかしそれは全部、四肢に障がいを持つ人のための競技ならではの、選手をアシストするための要素であったのだ。自分と同じ、四肢に障がいを持つ選手と戦うことを知り、池崎選手はウィルチェアーラグビーだったらアスリートとして生きていく夢を叶えられるという、根拠はないが確かな希望が見えたという。車いすバスケットボールでは自分の障がいを理由に上手くできないことを言い訳できてしまう環境だった。しかしウィルチェアーラグビーなら違う。自分をもっと発揮できる環境はここにはあると感じた、といっていた。

 それから練習を積み重ね、世界の場を何度も経験し、そして昨年のリオ2016ロパラリンピック競技大会では日本代表選手として出場し、見事銅メダル獲得へとチームを導いた。

メダルの本当の価値とは

 取材中、池崎選手は何度も”メダル”という言葉を使い、私は彼がメダルに強いこだわりを持っていることを感じた。それはメダルには一番であることを象徴するかっこよさ以上に、深く大きな価値があるからであると知った。メダルを獲得することで、注目度が全く違う。そう述べていた。メディアにも多く取り上げられ、広く人に知ってもらえるきっかけとなる。それはロンドン2012パラリンピック競技大会で4位だった時と、リオ2016大会で3位の銅メダルを獲得した時との違いで身を持って実感したという。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のウィルチェアーラグビーの試合の会場を観客で埋めたい、その先の共生社会に向けて、スポーツを通して大きく貢献したいと考えている彼にとって、メダルを獲得することは、その先の未来を左右する大きな分岐点であるのだ。

 それに加えて、形として残すことは、日頃支えてくれている人々への一番の恩返しであるともいう。

2020年に向けて

 池崎選手の強みはなんと言っても瞬発力である。それは車いすの扱い方をよく知り、乗りこなしていることから生まれている。「自分を強くすることは、自分を知ることだ」そう語る池崎選手からはアスリートならではの強さを感じた。これからは対戦相手をも思うように動かして、優位に立つ技術をチームで身につけていきたいと話していた。

 8月25日に開幕したアジアオセアニアゾーンチャンピオンシップというオーストラリア、ニュージーランド、韓国が参加する大会に日本代表選手として、池崎選手も出場している。世界選手権への切符がかかっている大事な大会である。またリオ2016大会後の日本の実力を試される大会でもあると池崎選手はいう。新監督も就任し、新体制で臨む日本チームは、この場で、力を見せつけたいとも述べていた。

取材を通して

 毎回、アスリートに取材をすると、その人格や意志の強さに舌を巻くのだが、今回も、池崎選手の堂々とした貫禄に圧倒された。

 特に、「辛い練習も、日々の努力も継続できるのはなぜ?」という問いに対して、”後悔したくない”ときっぱりと言い切る姿が印象的だった。リオ2016大会の時は、前回のロンドン2012大会の悔しさから限界まで練習したのに3位であった。限界と思っても後悔するならまだまだ練習が必要であると考えている、という。

 言い訳したくない、後悔したくない、と自分自身に真っ向に勝負して戦っている彼の姿や、その競技の魅力に没頭しているところを見て、私も私自身と真っ向勝負をする勇気をもらった。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて日々進化している彼に、そしてウィルチェアーラグビーに期待したい。

(取材日:2017年8月23日)

放課後BEYOND 高校生ライター

まこと 1999年生まれ

■放課後BEYONDに参加した理由: 色々な人が参加できるパラスポーツが楽しそうで面白そうだったから

■未来の東京が、こんな風に変わったらいいな: 高齢者にも子供にも障がい者にも、どんな人にとっても住みやすい街

 

※ 放課後BEYONDとは   

パラスポーツを応援する人を増やす東京都のプロジェクト「TEAM BEYOND」  の一環として、学生が同世代に向けてパラスポーツの魅力を発信しています。

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